
日本を代表するアーティスト村上隆がルイヴィトンに帰ってきました
2023年それまでのモノグラム柄の概念を打ち消す33色使いのマルチカラーモノグラムを誕生させた村上隆
彼の色使いは見ている人を幸せにする
現代美術のポップアーティストと思われがちですが彼のルーツは日本画
東京藝術大学美術学部日本画科を卒業しています。
今回は20年前の商品とリエディションとの違いを検証と解説しながら日本画からアニメーション、日本美術としてのスーパーフラットについても最後に解説していきます。
2003年のモノグラムマルチカラーとの比較
当時は2014SSまでクリエイティブデザイナーのマークジェイコブス在任中でしたので
マークジェイコブスとのコラボレーションとなっていました
村上隆コラボレーションとして最初に発表されたのがチェリーブラッサム

モノグラムにお顔の付いた桜を散らしました
モノグラムに落書きしたグラフティラインも衝撃でしたが
こんなにお茶目なモノグラムも驚きでした
2025年バージョンは基本的なお花の柄は同じですが
アイテムは新しく台頭してきたオンザゴーやカプシーヌ、1千万円越えのハードケースなどの展開もあります

品番M13269 LV × TM オンザゴー PM 505,000円
チェリーブラッサムの後に2003年春夏モノグラムマルチカラーが発表されます
目玉の付いたEYEシリーズは限定
I(アイ)とEYE(アイ)を変化させたネーミング(ダジャレか!)で
「EYE DARE YOU」
「EYE LOVE YOU」
「EYE NEED YOU」
「EYE MISS YOU」の4型

通常のマルチカラーは33色のスクリーンでプリントされたものに対して
こちらの目玉付きは93色のカラーが使われていて、
数量限定のため当時からプレミア感が高いものでした。
マルチカラースピーディの違い
前回は30㎝スピーディと16㎝のミニスピーディ2タイプでしたが
今回は30㎝と25㎝、16㎝のナノ、8センチンのマイクロと4サイズ
大きな違いとしては2023年はショルダーストラップが付いていなかったのに対して
今回はバンドリエール(ショルダーストラップ)タイプになっています
それでは前回のスピーディから

外側にポケットがあり、トランク仕様の金具、
ハンドルの根付(6角形のヌメ革)を止めるリペットは円錐形

2003年度に発売されたマルチカラーは2019年に廃盤になるまでさまざまな商品が作られましたが
スピーディに関しては2010年頃までは定番品として作られていました。
全体的にハードさを感じます
2025年バージョンを見てみましょう

開閉も通常のダブルファスナーで外ポケットもなし、根付部分はぷっくりした半球ビス。
おやおや全体にシンプルです
マルチカラー ポシェットアクセソワールの違い

リペット飾りはスピーディと同じパンク調の円錐形
W21×H13×D3 サイズはほぼ同じですが、華奢なヌメ革のストラップは腕にかける止まりの長さでした。

2025年 ファスナーはシンプルになりましたが
ストラップがメタルを交えておしゃれに長くなっています
底部分も補強されていて自立できるタイプに
マルチカラー ミニスピーディの違い

以前はミニスピーディの呼称でしたが、小さい兄弟が増えたので
同じサイズながら現在はナノ・スピーディと名前が変わっています

2025年はショルダーストラップが付属されていて、リボンのチャームもつきました
前回品といちばん違いがわかりにくくなるのがこのミニスピーディ(今回はナノ)ですが、
間違えないポイントは付け根の金具。2023年はとがっています。


チェリーブラッサム、マルチカラーのスピーディ、アクセソワール、ミニ(ナノ)スピーディの4点を比較してみました。それぞれいくつかの変更点はありますが村上氏が今回語っていたのがプリントの発色の進化。鮮やかな色になっているように思います。またお財布などで見られるような使いこむとプリントが薄くなってしまうことも改良されているようです。また今回はレザーにマルチカラーを採用しています。

ラムレザーにモノグラムパターンをエンボスして色付けしています
先ほどプリントの進化といいましたが、その技術の進化を踏まえても大きな違いはお値段です。2003年以降にマルチカラーの定番アイテムも何度か値上がりしていますのでお値段はあくまでも発売時での価格になりますが、こんなに違うのであれば前回商品の中古相場にも影響してきます。
以前のマルチカラー商品の相場はどうなる?

新たな顧客がアジアで増えていますし、20年で一巡するといわれるように以前のマルチカラーを知らないコレクターも増えています。特に限定のEYEシリーズやキャラクター(フラワーハットマン・LVハンド・オニオンヘッド・モノグラムパンダ)をプリントしたトランクなどはコレクターアイテムとして既に価値が上がっていますが、通常のマルチカラー商品も去年に比べて相場が上昇しています。廃盤になってしまった。もう買えないと思っていた商品が復刻すると、希少性が低くなって高かった相場が下落下してしまうことがありますが、今回は当時のお値段との違いが大きいので確実に中古相場は上がってきます。
未使用や状態がよければ購入価格をお買取り価格が上回ります
カラーはブラックのほうがややお買取り価格は高くなっています
(ご注意ください)ミニスピーディのブロン(白)をお持ちの方
2003年初期にご購入された商品は製造工程で使われた接着剤が化学変化を起こしてピンクに変色するリコールがありました。箱や袋に入れたまましばらく確認していない。というかたはこの際にご確認されることおすすめします。
持っている人は今が売り時か?
持っている方にとっては今年また使いだすのもいいタイミングかと思いますが、使っていない。売りたいなぁ・・・と思っていたとしたら1年前のお買取り価格よりもかなり上昇していますので売り時といえるでしょう。アイテムによって人気の高低がありますので、ご検討の方はLINEやメールでお問合せください。
スーパーフラットって?
村上隆が提唱している日本画から影響を受けた現代美術の技法。
「スーパーフラット(Superflat)」とは、日本の伝統美術、アニメ、マンガ、オタク文化などを融合させた美術理論およびアートムーブメントです。2000年に村上が提唱し、日本独自の視覚文化の特徴を表現するとともに、消費社会やポップカルチャーを批評する概念としても知られています。

スーパーフラットの主な特徴
1. 平面的な表現
• 日本の伝統的な浮世絵や、アニメ・マンガのようなフラットな表現を取り入れる。
• 遠近法を使わず、色面がはっきりした構図が特徴。


遠近法を使わずに平面に描く手法は古くから日本のお家芸であったことがわかる
2. 高級芸術と大衆文化の融合
• 「アート」と「商業デザイン」、「ハイアート」と「サブカルチャー」の境界を曖昧にする。
• 自身の作品を高級美術として発表しながら、キャラクター商品やフィギュアなども展開。
3. 日本社会への批評
• 日本の消費文化やオタク文化を反映しつつ、それらが持つ問題点(例えば、幼児化・逃避的傾向など)を浮き彫りにする。
• 戦後の日本の文化的・歴史的背景も影響している。


スーパーフラットの影響
• 世界の現代アートシーンにおいて、日本のポップカルチャーを美術として位置づけることに成功。
• 村上隆以外にも、奈良美智などのアーティストがスーパーフラットの流れを汲む作品を制作。

M13675 LV × TM ネヴァーフル MM 594,000円
スーパーフラットは単なるスタイルではなく、
日本の文化や社会のあり方を反映する理論としても重要な概念のようです。